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『サロメ』(原題(ドイツ語):''Salome'')作品54は、リヒャルト・シュトラウスが1903年から1905年にかけて作曲した1幕のオペラ(元々の記述はオペラではなく、「1幕の劇 ''Drama in einem Aufzuge''」であるが、ドイツオペラはむしろオペラと明記してある作品の方が少数でもあり、通常は一括してオペラと呼ばれる)。台本はオスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」をもとに、が独訳したもの。 == 概要 == 《火の危機》を発表後、この作品と対になる一幕もののオペラを構想したことに始まるといわれる。サロメの物語はもともと『新約聖書』の挿話であるが、オスカー・ワイルドの戯曲になる頃には、預言者の生首に少女が接吻するという世紀末芸術に変容している。シュトラウスが交響詩の作曲を通じて培った極彩色の管弦楽法により、濃厚な官能的表現が繰り広げられる。 シュトラウスは最初、アントン・リントナーの台本による作曲を考えていたが、原文をそのまま用いる方が良いと判断し、原作の独訳を台本としている(原文の台詞を削除している箇所もある)。 前奏なしの4場構成。第4場の「サロメの踊り(7つのヴェールの踊り)」が著名で、単独の演奏や録音も存在する。ただし、劇の流れからするとこの部分はやや浮いており、前後の緊張感あふれる音楽・歌唱を弛緩させているという評価(例えばアルマ・マーラーによる批判〔Alma Maheler, ''Gustav Mahler'', Hesperides Press, 2008, ISBN 978-1443723688, 76ページ。〕など)も少なからず存在する。この「欠陥」は次作の《エレクトラ》でほぼ克服されている。 さほど長い作品ではないが、表題役のサロメは他の出演者に比べて比重がかなり大きく、ほとんど舞台上に居続けで歌うこととなる。また少女らしい初々しさと狂気じみた淫蕩さ、可憐なか細い声と強靭で大きな声といった、両立困難な演技表現が求められる。さらに前述した第4場の「サロメの踊り」の場面では、長いソロダンスを踊らなければならない(ただし、この踊りには代理のダンサーが立てられることもある)。これらのことから、サロメの表題役はドイツオペラきっての難役とも言われる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「サロメ (オペラ)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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